2015年10月29日木曜日

ブルゴーニュ特集

秋らしい乾燥した晴天が続いてワインもおいしく堪能できる季節となりました。
今月はブルゴーニュ、特にボーヌを中心に行いました。

ロジェ・リュケのクレマン・ド・ブルゴーニュの細かい泡立ちと、ブランドブランのやさしい花の香りと繊細な味わいでスタートしました。2013ウイリアム・ルフェーブルのシャルドネは新鮮さと爽やかな酸、切れの良いアフターでマリネ系のおつまみにぴったりでした。2010 ミシェル・カイヨのムルソーはやや黄みがかった色合いでまろやかなアタック通りに口の中でふんわりとかすかな樽香を伴いながら広がり中程度のボリューム感が最後まで続くムルソーらしい特徴がよく出ていました。

2011 メオカミュゼ ボルドールージュは明るい紅色ですみれの香りとサワーチェリーの味わいがある可愛らしいワインでした。2010 サヴィニー・レ・ボーヌ オー・グラン・リアールとプレミエクリュ レ・フルノーが続きました。生産者はETV「日本人ヴィニョロンの妻」で取り上げられたシモン・ビーズのものでテレビを見た方もいて興味が検証となった次第です。色合いは明るめのガーネット、プレミエクリュになると村のクランベリーにチェリーの味わいが加わり、なにより細かいタンニンがしっかりと溶け込んでアフターが心地よく長く、加えて酸とフルーツのバランスが絶妙でブルゴーニュらしさが印象的でした。

今回のおつまみはバラエティもよくなかなかでした。お当番の皆様ご苦労様でした。

2015年9月14日月曜日

カリフォルニア特集

猛暑が終わり年度後半が始まりました。今回のカリフォルニアは太平洋に沿って冷涼地域を主体に南北に選びました。

種類はNVロデレールの泡、2012 ガイザーピークのソービニヨンブラン、2012 オーボンクリマのシャルドネ、ピノノアールはサンタルチアハイランド(2010パライソ)、サンタマリアヴァレー(2010 アルタマリア)、ロシアンリヴァー(2009ダットン・ゴールドフィールド)、そして、ナパのジンファンデル(2010レッドアンドグリーン)、2010 リッジのカベルネソービニヨンというラインナップです。

南に行くに従って果実味が丸く豊かになりつつも、冷涼地特有の酸が引き締め、熟したタンニンが特徴的に現れました。その中でも2009 ダットンゴールドフィールドのピノノアールは果実味だけでない骨格やバランスの良さで突出していました。

リッジは完全なるボルドータイプのワインですが、樹齢のいったブドウの木を想像させる落ち着いた印象と絶妙なブレンド比率を伴って丁寧な醸造がされたことを思わせるバランスの良さがワインに品格を与えています。

2015年7月4日土曜日

ドイツ、東欧特集

蒸し暑い6月に入って胃腸も疲れがちな季節には白ワインをメインに味わいました。

2007 ザンクト・ラウレンティウス・リースリング ブリュットはリースリングのほのかな芳香をしっかりとしたミネラルや酸が支えるおいしいゼクトで大人気でした。また、ラベルもクラシックな美しいもので魅了されます。2011フリッツ・ハーク ブウネベルガー ユッファー トロッケンはやや温かさを感じる上品な香りにミネラル感が混じり、キレの良い酸とともに単品でも堪能できる。

2008グリューナー・フェルトリーナー ベートーベンは爽やかな酸が心地よくアフターまで響く。2012ファンダン・デュ・ヴァレー、2012ピノ・ノアール・デュ・ヴァレーという二つのスイスワインも味わいました。めったに飲むことがないスイスワインでしたが、つまみにグリエールチーズとの相性はばっちりで、フォンデューの味のお供を想像しました。また、2011リンゲンフェルダー ドルフェンダーも普段はあまり飲む機会のないドイツの軽めの赤ワインでしたが、地勢やワイン産地の環境の幅広さという意味でとても興味深い会となりました。

スペイン特集

5月はスペイン特集でした。1+1=3カヴァのブリュット、ブリュットナチュレ。超辛口のブリュットナチュレはキリキリと硬質な感じでブリュットすら甘く感じられるほど。2013 バルミニョール・アルバリーノはアロマティックな印象と、ドライな飲み口が爽やかな季節にぴったり。ルエダの白は穏やかな飲み口で飲み飽きない。2008 ティントペスケラ リゼルヴァはまさに飲み頃でテンプラニーニョのフルーツが適切な熟成で枯れたバラ、ブラックベリーなどの香りや味わいに深みが加わり美味。 2011アルバロ・パラシオスのグラタヨップス ビ・デ・ヴィラはフランス品種とのブレンドで、飲みなれた香りや味わいにテンプラニーニョのスペインらしい土壌の味わいが重なりモダンスペインを堪能しました。そのほかに2種のリベラ・デル・デュエロのワインも味わいました。アップがあまりに遅くて記憶が停滞気味で申し訳ない。

2015年5月11日月曜日

イタリア特集

ワインの種類もスタイルも多いイタリアですが、今回は全体をながめる感じでした。
シチリアのムルゴブリュットは軽快ながらも酸がしっかりしたフレッシュな泡で始まり、2013 コンティダルゴ ゲヴェルツトラミネールはヨーロッパらしい切れと芳香に富んだワイン。つぎに内陸部に入ってソアーベ、フラスカーティと続いた。

つまみの生ハムやマリネにぴったり。赤ワインはトスカーナを中心に2010 マルケーゼ・アンティノリ・クラシコ、 2011 テヌータ・ティンヤネロと続いた。サンジョベーゼのやさしさと少しのカベルネがトスカーナのまろやかでやさしいイタリアの味わい。ルーチェなどと比べるとフランス品週が多すぎくパワフルすぎないのがスーパートスカンでもイタリアらしい。

2011 ガヤ マガーリ・カ・マルカンダはいつものようにモダンなイタリアワインで、イタリア料理のみならず多彩な赤身肉の料理によく合う。

イタリアワインは日本で多く手に入るイタリア食材や料理のためにとても有効な、まさに食事のためのワインであることを実感する機会でした。

2015年4月23日木曜日

オーストラリア特集

3月はオーストラリア特集でした。うっかり写真を撮るのを忘れています、そしてアップロードがすっかり遅くなってしまいました。2月、3月は海外でさすがに毎月それぞれ10日を超す日程ではハードでした。


オーストラリアでは当然、シラーを中心に味わいました。大型のパワフルなものから、エレガント系まで国のサイズ同様に多様でした。2011 カーリー・フラット ピノノアール2012 ボーエンエステート クナワラ シラーズ,2003 ヤラ・イエリング・ドライ・レッドなどが進化したオージーでした。
なにより皆さんをびっくりさせたのがオーストラリア独特のシラーズの真っ赤なスパークリングワイン。 泡が見えないほどの濃い色はスパークリングとしての美観は損ねるものですが口の中でしゅわしゅわで泡を感じるわけです。

ちょっと余談は、サンフランシスコ発祥のブルーボトルコーヒーはどこも小さく混んでいました。手で入れ、店が狭く行列させるところはまるで日本のルーツなんですけど、コーヒーは確かにおいしかったです。ナパ、ソノマは何十年も変わらぬ風景、アリゾナではSFジャイアンツの野球を真近で見て、セドナでパワーアップってとこです。







2015年2月18日水曜日

チリ・アルゼンチン特集

2月は南米特集としてチリ・アルゼンチンを行いました。アルゼンチンでは芳香のあるトロンテス、まろやかなトロピカルな香りと味わいのアラモスシャルドネを味わいました。

アルゼンチンといえば、赤ではマルベックですので、2012 カテナサパタのマルベックとポールホブスがメンドーサで作る2012 ヴィーニャ コポスフェリーノ マルベックを飲み比べました。それぞれが若いので野ばらや完熟プルーンなどの香りと味わいが丸くボリューム感を出していました。カテナの方は地方色たっぷり、一方のコポスの方はやや細身で酸が長くアフターに続く現代的なスタイルでした。

チリのワインでは、今回は特に徹底的なビオ栽培から醸造までの2011 ティパウメ ビオ・オーガニック プレミアムと 2007  アンティアル プレミアムを飲み比べました。

ティパウメは乾燥ハーブ、野ばら、土の印象が香りと味わいにあって、いかにも丁寧に手作りされたワインであることが感じられるワインでした。セパージュがカベルネソービニヨン60%、カルメネール30%、ラクリマクリスティ3%、ヴィオニエ2%と面白いブレンドですが、フィールドブレンドらしい継ぎ目のない各種のブドウが一体感をもってまとまっていました。アフターにヴィオニエの芳香がチラッと感じられ、エレガントな酸をともなったタンニンは滑らかに長き、飲み疲れない、そして手間暇かけた土壌ややさしい醸造が感じられるワインでした。

アンティヤルはカベルネのタンニンをカルメネールのまろやかさが包み込み、シラーの熟したぶどうが感じられるワインでチリの素敵なモダンタイプのワインでした。ティパウメに比べると現代的な感じで、手作りのワインでありながらモダンな味わいで現代に伝統をつなぐワインでした。