2013年7月21日日曜日

オーストラリア特集

猛暑の始まった7月にオーストラリア赤は挑戦的であったが、幸いそれほどの猛暑の日にあたらず無事に楽しむことができました。

今回は赤5本全部がシラーズということで、久しぶりにゲーム的なブラインドを行いました。中に2007シャプティエのサンジョセフ レ・グラニも混ざって、ローヌのシラーを探し出すというおまけもありました。

ブラインドに慣れていない新入生もいるので、今回は値段が3000円から11000円までと価格帯にも幅ばあったので、単純に高いと思われるワインと、ローヌを探し出すというゲーム。

オーストラリアを代表する2008ヘンチキのエーデルストーン、2008トレブルックのザ・ガスクはさすがにほとんどの方が正解しました。どちらも強いアタックで食べごろのプルーンを感じさせるフルーツの濃縮感がいっぱい。口に含むとヘンチキの方はまろやかな舌触りに木の根のようなスパイスがあり、しっかりした酸味とやわらかなタンニンが交じって長いアフター。古木に共通する果実ひとつぶづつの完成度がつくりだす一体感のあるワイン。トレブルックの方は近代的な醸造法が想像できる個性のしっかりしたワインで、もう少し熟成させたらヘンチキのまろやかさに近くなるような感じがした。フルーツもプルーンに野イチゴの野性味も加わりしっかりした酸やタンニンとともに現代的で特に文句のつけどころのない仕上がり。同じヴィンテジで京都と東京のよう。

2009ショー・アンド・スミスはたっぷりのフルーツ感に酸味と多くのタンニンが加わり中肉中背の若武者といった感じ。2006ロックフォード・バスケットプレスは他のワインと比べて明らかに熟成が進んでオレンジ色のエッジと果実が溶け込んで、樽感と交わり、それ以外が数年若い力を発揮している中で落ち着いた味わいであったが多くの若者の仲間で少し浮いてしまった初老で分がわるかったかもしれない。もっとも、これが親しみを感じて一番と挙げた人もいたので面目回復。

2007シャプティエ レ・グラニはオーストラリアの仲間の中で、色合いは他と良く似た深いマゼンタ色で、ワイルドベリーのような野性的な果実味にスパイス、そして全体の細身を支えるしっかりした酸と少な目のタンニンが、区別感をだしていたが、オーストラリアの良い仲間に交じって面白い体験でした。