2013年10月13日日曜日

カリフォルニア特集

今回は1999 マルティネリ ジンファンデル ジョゼッペ&ルイーザ ロシアンリヴァーが14年熟成したものを飲んだ。

これは私がアメリカでは珍しい舗装が少し切れた畑の脇にあるマルチネリを訪ねて一本だけ買ったものを、そのまま家のセラーで静かに寝かせたもので開栓を楽しみにしていたものだ。

リッジのポールドレーパーから、それこそ20年もののジンを提供されて、良質のものの熟成はある程度確信していたが、これも期待を裏切らないものでした。コルクもしっかりとしたままで、色合いには熟成を感じさせる透明感が加わっていたものの、たぶん、リリース時にはノックアウトされてしまったかもしれないアルコールが果実味や樽になじみ嫌味のない美しい熟成でした。古いブルゴーニュではないかと思わせるほどでした。

2011 カレラのマウントハーラン シャルドネはまろやかな白桃のようなニュアンスが豊富な酸に支えられ、ミネラル感もたっぷりした粘着性のあるワインで香りや味わいに単独で味わっても満足感が得られる。2010シュグのシャルドネは冷涼な場所のブドウのもつ豊かな酸が気持ち良い切れの良さを伴って青りんごのような味わいをもち食べ物に合わせたい。

2006 ロバートモンダヴィ オークヴィル カベルネソービニヨンはヴァレーのブドウのエレガントさを持ち、滑らかさと果実味と酸のバランスの良さ、タンニンの細かさで伝統的なナパヴァレーの味わい。2007スノーデン ザ・ランチは力強く、今後の熟成の期待が更に膨らむ。しっかりとしたアタックといくつもの黒いベリー類、ブラックベリー、カシスなどの香りにナツメグやシナモンのようなスパイスが加わりボルドー品種でブレンドされたワインは細かくしっかりしたタンニンを伴って長いフィニッシュへと続き格付けボルドーに引けをとらない風格。



モンダヴィのようなヴァレーのカベルネに比べるタンバーク・ヒルはマヤカマス山脈の高度な斜面にあるフィリップ・トンギのワインでタイトな印象は今の人気ラインともいえる。マルチネリと比べる1996 ハートフォードコート ジンファンデル ロシアンリヴァーは更に長い熟成を経て黒いベリーがドライプルーンのようになり、酸を保持したままで夏の終わりの胃袋にはとてもやさしくおいしいワインでした。これらの古酒はそれぞれに思い入れをもってワイナリーで買って、日本まで持ち帰り、家のセラーで長く寝かせたもので劣化がなく長く費やした時間を堪能できました。家で大切に熟成させたワインが期待を裏切らず仲間と楽しめるのはワインにとっても幸せなことでしょう。