2014年6月22日日曜日

ロワール特集

ロワールの河口から河上までをたどる楽しい企画でした。梅雨に入って体調を崩しがちな季節には軽快なワインがぴったりでした。

クレマン・ド・ロワールで心地よい泡がまず夕刻の始まりをつげ、太平洋に近い2012 ミュスカデ・エ・セーブル シュールリーはオーデコロンのような淡い花の芳香を伴い、アフターに少しの苦みをもつフレッシュなワイン。2012 ヴーヴレ・セック キュヴェ・ド・シレックスはセミヨン種のほのかな甘い印象に豊富な酸とシレックス土壌のミネラル感が混じってドライなワイン。2012 サンセール ブラン (ドメーヌ・トマ)は爽やかでキレのよい酸味が次の2012 ピュイ・フュメ(ドメーヌ・エリック・ルイ)のやや丸みのある酸と固い梨などの果実感を伴ったミネラル感の味わいと対比して興味ぶかい。

2002 シノン クロ・ディ・ソレは熟成されたカベルネフランで明らかに熟成の入ったオレンジの色合いが見える。やや樽香の味わいがドライベリーの味わいより強くなっている印象。 2012 ル・ヴォージョミエ サン・ニコラ・ド・ブルグイユ(ドメーヌ・コテルレ)は濃いルビー色でサワーチェリーやブラックベリーの香りがそのまま味わいに移り、嫌みのない樽熟のボリューム感をともなって非常にの見応えがある。 2008 ソーミュール・シャンピニー ル・クロ(クロ・ルジャール)はブルグイユを超えるベリーやドライプルーンの香りが味わいに続き、グリーンペパーのようなスパイスも加わり、タンニンの心地よさとアフターの長させ秀逸でした。

赤ワインについては、すべてがカベルネフラン100%でカベルネソービニヨンに比べて全体的に明るい色合い、華やかな花の香り、レッドベリー、鉛筆の芯や野菜の茎のような味わい、やや軽めのタンニンなどこれまでに学んできたカベルネソービニヨンとの比較にとてもよい学習になりました。

2014年6月12日木曜日

スペイン特集

フレシネ レゼルバ・レアル キュヴェを最高級をカバの見本として味わいました。奥行きと厚さ、アフターの長さで満足のゆく泡でした。ただ、カバとしてはお値段がシャンパン並みなのが好みで分かれるところでした。

アルバリーニョはさわやかなキレと花のような香りで冷たく冷やしてこの季節にはおいしく感じました。

スペイン固有品種のメンシア種をペタロス ホセ・パラシオスは新進製造者に名前を恥じないとてもおいしいモダンな作り。メルローを思わせる妖艶なワインになっていました。マルケス・デ・リスカルはドライチェリーや土のニュアンスに伝統的な樽香がまざったリオハの故郷のような味わい。ペスケラティントは明るい色合いのとおりの、ミディアムボディのチャーミングなフルーツ感が魅力的。 

1997 ティラントはプリオラートのロラントラのものですが、いわゆる現代スーパースパニッシュに共通する、グルナッシュやカリニャンにカベルネソービニヨンとメルローを混醸したもので、枯れたバラ、チェリー、カシスリキュール、ドライハーブやシナモンなどのスパイスに土やミネラル感が混じりアフターも長く、地方色と現代色がまざった深く飲みごたえのある充実感を感じるワインでした。

最後はエミリオ・ルスタウのアモンティヤード・オロロッソ。やや厚みのあるアモンティヤードはドライなシェリーで口の中をリセットしてくれるおいしさでした。